Blenderには様々な役に立つツールが用意されており、今回紹介する「辺ループのブリッジ」もその一つです。
「モデリングで役立つ辺のブリッジや頂点の結合、面を埋めるのツールとその使い方とは?」の記事では今回紹介する辺ループのブリッジの他にもBlenderにおける、頂点の結合や面を埋める方法などを紹介しました。このツールはどちらかというとメッシュの調整に使うイメージになりますが、上手く使うことでワインボトルなどのモデリングができたりします。
今回作成するオブジェクトは下のようなボトルです。一見、難しそうに見えますが、複数の円形と辺ループのブリッジを組み合わせるだけで、サクッと作れます。
下絵を準備する
モデリングをよりスムーズに行えるように、必要に応じて下絵を準備しておきます。今回はUnsplashで見つけたスコッチウイスキーのボトルの画像を背景としてBlenderに読み込みます。
必要に応じて背景の不透明度を変更したり、ビューポート上で選択不可にすると良いでしょう。
円の追加
オブジェクトモードで「Shift + A」または、上部メニューの「追加」、「メッシュ」の「円」をクリックして円をビューポートに追加します。
円を追加する際にビューポート左下にオプションが現れるので、必要に応じて頂点の数を変更すると良いでしょう。今回はデフォルトの「32」を使用します。
追加された円はワールドの中心に配置されるので、移動(G)とスケール(S)を使って下絵のボトルと同じサイズになるように調整し、ボトルの一番下に配置します。
次に円をいくつか複製し、ボトルの形に合うように配置していきます。先ほど追加した「円」をビューポートまたはアウトライナーから選択し、「Shift + D」で複製し、続けて「Z」キーを押して、その軸のみ動くようにします。
今回はX軸上でモデリングを行っているので「Z」キーにしていますが、YまたはZ上で操作する場合は、それに応じて固定する軸を選択すると良いでしょう。なお、複製された円は後ろにナンバリングが追加されるようになります。
先ほどと同じ方法を使い、さらに円を複製しボトルの形を作っていきます。最初に配置した2つの円でボトムとボディの部分ができたので、その上のショルダー、ネック、トップの部分を作成していきましょう。
最終的に作成した円の数は6つとなり、透視投影で確認してみるとZ軸方向に円が連なる感じになりました。
円のスケールや配置に問題がなければ全ての円を選択して、上部メニュー「オブジェクト」、「適用」の「スケール」をクリックしてスケールのパラメータをリセットしましょう。
オブジェクトを結合する
辺ループのブリッジを適用するには複数のオブジェクトを結合し、一つのオブジェクトとして変換する必要があります。
オブジェクトモードで全ての円を選択し、「Control(Command) + J」または上部メニュー「オブジェクト」の「結合」をクリックします。結合されたオブジェクトは下の画像のようになります。
辺ループのブリッジ
「編集モード」に切り替え、オブジェクトが選択されている状態で、上部メニューの「辺」の「辺ループのブリッジ」をクリックして辺同士をブリッジさせ、面(ポリゴン)を作成します。
これで完成に見えますが、辺ループのブリッジはあくまでもZ軸方向のみの適用なので、ボトムの部分には面が追加されていません。
点または辺選択モードで、「Alt(Option)」キーを押しながらダブルクリックしてループ選択を行い、上部メニュー「面」から「グリッドフィル」を選択して面を追加します。
パラメータはデフォルトの「スパン:8」にして「単純にブレンド」のオプションをオンにします。
面が追加されたので、これで完了でも良いのですが、筆者的にはボトム部分の頂点をもう少しシンプルにしたいので、下の面が全て洗濯されている状態で「面を差し込む(I)」で少しだけ面を追加します。
「X」キーを押し「面」をクリックして、選択中の面を削除します。
次に作成した面の頂点をループ選択し、「押し出し(法線方向)」を使って、中心のあたりまでドラッグしながら押し出しをします。
中心辺りまで押し出したら、上部メニュー「メッシュ」、「マージ」の「距離で」を選択して、複数の頂点を結合します。
下部に「31の頂点を削除しました」のような表示があれば、頂点のクリーンアップが完了します。
最後に押し出しで作成した頂点をすべて選択し、スケールを使って、ボトムの中心まで円のサイズを小さくします。
こうすることにより面がだいぶ整理されただけではなく、ボトム部分にループカットを追加しやすくなります。サブディビジョンサーフェス(SDS)を適用する際は調整しやすくなるので、おすすめです。
次回はこのボトルのメッシュをよりボトルらしくなるように、厚みを追加したりサブディビジョンサーフェスを適用させていくチュートリアルを紹介します。
(MIKIO)