Blenderにはモデリングに欠かせない様々なツールが用意されており、スピンツールもその一つです。今回紹介するスピンツールはオブジェクトやスプラインをスピンさせることでメッシュを作成できるツールで、ろくろ回しのようにコップや壺などのモデリングを行えます。
スピンツールは編集モードで左側に用意されているツール。先ほど、立方体などのオブジェクトでも利用できると書きましたが、「カーブ」といったスプラインを使うのが実は一番な機能です。
こちらの記事では「下絵を使ってカーブを作成してみよう!」で紹介したワイングラスのスプラインにスピンツールを適用させ、ワイングラスを完成させていきましょう。
スプラインの変換
こちらの記事ではスプラインのハンドルタイプを「自動」にして、グラスの曲線を表現していましたが、今回の方法では後にサブディビジョンサーフェス(SDS)を追加するので、直線(ベクトル)の状態のものを使用します。
スピンツールを適用する前に、スピン軸にある全ての点がワールドの中心になっていることを確認します。筆者の場合はX軸からスプラインを作成したので、中央にある2つの点のY軸が「0m」になるようにしました。
スプラインの調整が完了したら、スプラインをメッシュとして変換する必要があります。「オブジェクトモード」に切り替えて作成したスプラインを選択し、上部メニューの「オブジェクト」、「変換」の「メッシュ」をクリックします。
ビューポート左下に現れるオプションで「オリジナルを保持」を選択すると、変換時に元のスプラインを残すこともできます。
アウトライナーに表示されているオブジェクトのアイコンがメッシュになっていれば変換が完了するので、編集モードに切り替えましょう。
変換されたスプラインは頂点、辺などの操作ができるようになります。
場合によっては上のように余分な頂点が追加されている場合があるので、不要な場合は点を選択し、「X」キーの「頂点を溶解」をクリックして削除します。
透視投影に切り替え、「A」キーを押してオブジェクトを選択します。左側のツールバーにある「スピン」をクリックして、オブジェクトの周りに表示される「+」アイコンをドラッグします。
左下にオプションが表示されるので、「角度」を「360°」にして1周させ、その下にある「自動マージ」も有効にして、隣接する頂点を結合させましょう。
その上にある「ステップ」では分割数を指定します。デフォルトでは「12」となっていますが、「24」のように面を増やすこともできます。
スピンツールを適用した後、重なっている頂点がまだある場合があります。頂点選択モードにした上で「A」キーで全て選択し、上部メニュー「メッシュ」、「マージ」の「距離で」をクリックします。
左下のオプションの「結合距離」で「0.01m」の数値を入力してEnterキーを押すと、下部中央に「X個の頂点を削除しました」と表示されれば、頂点のクリーンアップが完了します。
調整とSDSの追加
ひとまず、これでワイングラスのモデリングが完了したのですが、SDSを追加して滑らかにしたり、グラスのサイズなどを必要に応じて調整できます。
上の例ではメッシュにさらにループカットを追加し、サブディビジョンサーフェス(SDS)モディファイアーを反映させたもの。SDSについては割愛しますが、モディファイアーを追加することで簡単に滑らかにすることもできます。
今回紹介したスピンツールはワイングラスの他にもボトルなど、スプラインで一つ面だけを作成し、回転させるだけで少し複雑なメッシュを作成できるのでおすすめのツールです。
(MIKIO)