ロゴやパッケージなどの画像テクスチャを別のオブジェクトに貼り付けることで、よりリアリティのあるオブジェクトを作成することができるので、おすすめです。
オブジェクトにロゴなどのディテールを追加する方法は色々ありますが、一番簡単な方法としては透過PNGの画像を用意して、アルファに対応したマテリアルに反映する方法です。
以前、Cinema 4DやRedshiftで透過PNGのテクスチャを反映する方法を紹介しましたが、同じようなことをBlenderでも行うことができます。今回は上の立方体で作成したオブジェクトに作成した下のPNGのロゴを反映していきます。
テクスチャ用のオブジェクトを作成する
ロゴのテクスチャはオブジェクトの正面部分のみに反映したいので、テクスチャを適用するためのオブジェクトを作成します。
平面を新しく作成しても良いのですが、すでに形が整っている状態なのでテクスチャを追加する面(ポリゴン)を編集モードで選択し、「Shift + D」で複製し、すかさずEnterキーを押します。
複製された面が選択された状態で、右クリック「分離」、「選択で」をクリックし、別のオブジェクトに変換します。
オブジェクトモードに切り替え、複製された面を選択します。プロパティの「マテリアル」から「-」アイコンをクリックしてマテリアルを削除しましょう。
編集モードに切り替えて、ロゴのサイズに合うようにループカットを使って面の形を整えます。UV編集でテクスチャのサイズを変更できるので、おおよそで問題ありません。筆者の場合はテクスチャが長方形なので、長方形になるように調整します。
不要な面を削除し、必要に応じてオブジェクトの原点を調整すると良いでしょう。
プリンシプルBSDFを使う方法
作成したオブジェクトに新しくプリンシプルBSDFのマテリアルを追加します。
シェーダーエディターで「Shift + A」または「追加」から「テクスチャ」の中にある「画像テクスチャ」ノードを追加し、反映する透過PNGを選択します。
続けて「Shift + A」から「シェーダー」の中の「透過BSDF」と「シェーダーミックス」のノードを追加します。
画像テクスチャの「カラー」をプリンシプルBSDFの「ベースカラー」に接続します。
次に画像テクスチャの「アルファ」をミックスシェーダーの「係数」に接続します。
透過BSDFとプリンシプルBSDFの「BSDF」をミックスシェーダーの2つある「シェーダー」に接続します。
最後はシェーダーミックスの「シェーダー」をマテリアル出力の「サーフェス」に接続すれば完成です。
マテリアルはこれで問題ありませんが、場合によってはUV編集が必要になります。UV展開後にスケールや回転などを使って調整すると良いでしょう。
上の例を見てみると、デフォルトではUV展開後にサイズと回転が正しくなかったので、「UV編集」のワークスペースでUVアイランドをロゴのサイズに合うように調整し、回転を行うことで、ロゴ全体を表示することができました。
なお、透過PNGのマテリアルを適用したオブジェクトが見えていなかったり、重なって見える場合は、オブジェクトを少しだけずらすと正しく表示されるようになります。
下の画像はロゴを反映したオブジェクトをY軸に「0.001m」動かし、木材のテクスチャの表面に印刷されているような感じにできました。
プリンシプルBSDF無しでマテリアルを作成する
プリンシプルBSDFを経由せず、よりシンプルなシェーダーノードを作成する際は下の画像を参考にすると良いでしょう。大きな違いはプリンシプルBSDFが無く、画像テクスチャがシェーダーミックスの「シェーダー」に接続されているだけです。
プリンシプルBSDFではノーマルや放射、アルファなどのパラメータが用意されているので、それらを必要とするのであればプリンシプルBSDFを、必要なければ上のようなシンプルなノードでも良いと思います。
テクスチャの色を変更したり、光沢を追加する
透過PNGを使ったテクスチャは基本的に元のファイルの色を反映しますが、「光沢BSDF」や「HSV」のノードを組み合わせることで、テクスチャの色を変更したり、金属のような光沢を追加することもできます。
色を変更する場合はシェーダーエディターで「Shift + A」または「追加」の「カラー」から「HSV(色彩/彩度/明度)」をクリックします。
画像テクスチャの「カラー」の接続を解除し、シェーダーミックスの「シェーダー」にHSVの「カラー」を代わりに接続します。後はHSVノードの「カラー」の項目から色を変更すれば、好きな色に変更できます。
金属のような質感にする場合は「光沢BSDF」を使用します。「Shift + A」の「シェーダー」から「光沢BSDF」ノードを追加します。
HSVノードの時と同じように光沢BSDFの「BSDF」をシェーダーミックスの「シェーダー」に接続します。
後は金属の質感に合わせて、粗さやカラーといったパラメータを操作するだけです。下の画像の例では粗さを「0.25」、カラーを金になるように調整したもの。光沢が追加されるだけで、少し高級感のあるものになりました。
透過PNGのテクスチャは今回のロゴのように、様々なオブジェクトに適用するには必要なマテリアルだと思うので、こちらの記事を参考にロゴやパッケージ、木の葉などのテクスチャをぜひ反映してみてください。
(MIKIO)