立方体や球体などを使ってメッシュを作成していく方法はポリゴンモデリングの中でも主流の方法ですが、作成する物によっては曲線が多く使われているものもあり、球体から作ることが難しい場合もあります。
そんな時に役立つのがスプライン(Spline)を使ってモデリングする方法です。スプラインとは主にペンツールを使いビューポート上で描画して、線(エッジ)を作成します。作成した線は後にモディファイアなどを使って面(ポリゴン)を追加して、メッシュを作成していきます。
Cinema 4Dなどを含む多くの3DCGソフトウェアで利用できるツールで、ソフトウェアによって名称が異なるものの、基本的にできることは同じです。なお、Blenderで作成するスプラインは「カーブ(Curves)」と呼ばれており、オブジェクトモードから追加できます。
Blenderのカーブ
Blenderを開き、「オブジェクトモード」にします。ビューポート上部のツールバーにある「追加」の「カーブ」の項目からスプラインを追加できます。
カーブの項目には「カーブ」や「NURBSカーブ」、「ヘアー」や「ファー」など、要素の異なるスプラインが用意されています。細かな違いは割愛しますが、多くの場合自由度の高い「カーブ」を使用すると思います。
「NURBS」は通常のカーブあるベジェ曲線ハンドルが用意されていないスプラインで、自由度は低くなるもののレンダリングなどの処理能力がアップするスプラインとなっています。
カーブの追加
通常のオブジェクトと同じように「カーブ」を追加すると、ビューポート上でデフォルトのカーブがXY軸上に表示されます。
スプラインは立方体などと異なり立体の状態ではないので、カーブを編集する際は「Z軸」の視点にすることをおすすめします。
多くの場合このデフォルトのカーブを使ってモデリングを行うことは無いと思うので、一からデザインするスプラインを作成するため、現在表示されているスプラインを削除します。
カーブが追加された状態で「編集モード」に切り替え、「A」キーを押して点を全て選択し、続けて「X」キーを押し「頂点」をクリックして、現在のスプラインを削除します。
スプラインは削除されましたが、アウトライナーには「ベジェカーブ」オブジェクトとして残っているので、この状態から左側にあるツールバーの「ドロー」または「カーブペン」を使ってお好みのスプラインを作成できます。
上の画像では「Z軸」の方向からスプラインを描画していますが、XまたはY軸から描画できるので、必要に応じて切り替えると良いでしょう。
カーブの編集
今回は「カーブペン」を使ってスプラインを作成してみましょう。カーブの名前がついていますが、ビューポート上で追加したい位置をクリックすることで、直線のスプラインを描画できます。
スプラインを直接曲線にする場合は、Illustratorのパスを作成するように、点をビューポートで作成した後に左右にドラッグすることでベジェ曲線ハンドルを操作できます。
ベジェ曲線ハンドルを操作する際、基本的に両サイドのハンドルを動かすことになりますが、片方のハンドルのみを操作する場合は「Shift」キーを押し、操作するハンドルをクリックします。
点の移動と回転
スプラインで作成した点は編集モードの「移動(G)」や「回転(R)」を使って好きな位置や角度に調整することができます。
点を追加する
作成したスプラインに点をさらに追加するには、最後の点を選択し「カーブペン」を使ってビューポート上で追加したい位置をクリックすると追加されます。
別の方法として「押し出し」というものもあり、同じ形状の点を複製(押し出し)して点を追加することもできます。押し出す点を選択した上で、中心にある点をドラッグします。
細分化
スプラインの間に点を追加する場合は「細分化」が便利です。下の画像のように直線のスプラインには左右に2つの点が追加されていますが、間に3つの点を追加してみましょう。
左右の点を選択した上で、右クリック「細分化」を選択します。
ビューポート左下に「分割数」の項目が現れるので、点を追加する数値を入力します。今回は3つ追加したいので「3」と入力すると選択された2つの点の間に新しく3つの点が追加されるようになりました。
カーブを直線とベジェに切り替える
スプラインを作成している時に点の形状を直線またはベジェに変更する場合、変更したい点を選択して、上部メニューの「制御点」にある「ハンドルタイプ設定」から変更するハンドルタイプを選びます。
「自動」は自然なベジェ曲線に変換し、「整列」では直線にします。「フリー」にすると自由自在の曲線にすることができます。
点を繋げる
それぞれ作成した複数のスプラインを一つにまとめるには、点を選択して上部メニューの「制御点」、「セグメントを作成」をクリック、またはショートカットキー「F」で繋げることができます。
今回はBlenderでのスプラインの基本的な操作方法などを紹介しました。次回はこれの応用としてスプラインを使ったモデリングについて説明したいと思います。
(MIKIO)