ワインボトルやウィスキーのボトルといった瓶をモデリングする際は「辺ループのブリッジ」を使うと、複数の円を使うだけで簡単に作ることができます。
詳細については「辺ループのブリッジを使ってボトルをモデリングしてみよう!」で詳しく書いていますが、そちらではベースまでのモデリングでした。まだボトルの厚みや表面の滑らかさなどが表現しきれていないので、こちらの記事では複数のモディファイアーを使ってモデリングを完成させるチュートリアルをご紹介します。
ベースのバックアップ
細かな調整を行う前に、こちらの記事で作成したメッシュをバックアップします。これは、やり直したい場合にモディファイアーを適用する前のメッシュが残っていると、再編集しすくなるためです。
アウトライナーの右上にある「新規コレクション」をクリックし、コレクションを作成します。必要に応じて「Backups」などの名称に変更すると良いでしょう。
オブジェクトモードでベースとなるメッシュをビューポートで選択して「Shift + D」または、上部メニュー「オブジェクト」の「オブジェクトを複製」をクリックして「Enter」キーを押します。
複製したメッシュは先ほど作成したコレクションの中に格納し、コレクションの右側にある「ビューポートで隠す」と「レンダリングで隠す」のアイコンをクリックして非表示にさせます。
ボトルに厚みを加える
ベースのボトルのメッシュは「円」という名前になっているので、これを「Bottle」に変更します。
Bottleのオブジェクトを選択して、プロパティの「モディファイアー」から「モディファイアーを追加」をクリックし、「生成」の中にある「ソリッド化」をクリックしてモディファイアーを適用します。
「ソリッド化」の中にある「幅」に「0.075m」などの数値を入力して厚みを加え、「均一な厚さ」のオプションも有効にします。
幅の数値は作成しているメッシュの寸法によって変わるので、数値を調整しながらお好みの厚さにすると良いでしょう。
キャップ部分を作成する
ボトル上部にあるキャップを作成するため、「編集モード」の「面選択」切り替えて、ボトルの上部の面を「Option + ダブルクリック」して、ループ選択します。
「Shift + D」または上部メニュー、「メッシュ」の「複製」をクリックして、「Enter」キーを押して面を複製します。
複製された面はコピー元の面と重なります。複製した面が選択されている状態で、「P」キーまたは右クリックの「分離」から「選択で」をクリックして別オブジェクトとして変換します。
別オブジェクトとして変換されたメッシュは「Bottle.001」となり、これを「Cap」に名称変更します。
オブジェクトモードに切り替え、「Cap」を選択します。アンカーポイントである原点がかなり離れたところにあるので、キャップの中心に来るようにビューポート右上の「オプション」のドロップダウンメニューにある「影響の限定: 原点」を有効化し、「移動」を使って原点を調整します。
調整が完了したら、「影響の限定: 原点」のオプションを外します。
「Cap」に適用されているソリッド化モディファイアーの「リアルタイム」をクリックしてビューポート上での効果を無効化し、「スケール」を使ってボトルの注ぎ口より大きめのサイズに調整します。
サイズ変更した後は、上部メニュー「オブジェクト」の「適用」の中にある「スケール」をクリックしてパラメータをリセットします。
編集モードの「辺選択」に切り替え、上部の辺をループ選択します。右クリック「辺を押し出し」をクリックして、すかさず「S」キーを押してスケールを使って、穴を少し塞ぎます。
辺が選択されている状態で、上部メニュー「面」の「グリッドフィル」をクリックして穴を完全に塞ぎます。「スパン」はデフォルトのままで良いと思いますが、「オフセット」を変更して、辺を整列します。
キャップの2箇所にループカットを追加し、辺を選択してスケールと移動を使って少し上に動かします。
カットした辺が選択されている状態で、「ベベル」を使って新しい面を作成します。
続けて、面が選択されている状態で「押し出し(法線方向)」を使って、内側に押し出します。
最後は「ソリッド化」モディファイアーを再度有効化し、「幅」を再調整して「フィル」と「ふちのみ」のオプションをオンにすればキャップの完成です。
サブディビジョンサーフェスの追加
これでキャップとボトルのモデリングが完成したのですが、まだ角ばっているのでサブディビジョンサーフェスを適用させて、表面を滑らかにしていきます。
一度「Cap」のメッシュを非表示にして、「Bottle」を選択します。プロパティのモディファイアーから「生成」、「サブディビジョンサーフェス」を選択し、モディファイアーを適用します。
サブディビジョンサーフェス(SDS)を適用すると、ボウリングのピンのような形になりました。これはメッシュに辺が少ないためによるもの。SDSを適用する際に、形を整えるにはループカットなどを使って辺を追加していく必要があります。
ループカットを使って新しく追加したものが上のもの。SDSを適用してみると、先ほどに比べてだいぶボトルの形に近づきました。
ボトルの下の部分に移動し、円形の部分を選択して「面を差し込む」をした後、移動を使って、上方向に少し動かします。
モディファイアーの適用と再調整
ボトルのモデリングがある程度完成したので、ソリッド化モディファイアーの適用を行います。
オブジェクトモードに切り替え、「Bottle」を選択したら、モディファイアーの「ソリッド化」の一番右にある三角アイコンをクリックして「適用」をクリックします。
モディファイアーを適用すると厚みの部分も編集可能になるので、SDSの形を整えるため、注ぎ口とボトルの下の部分にループカットを追加します。
ボトルが完成したら、キャップの部分にもソリッド化の適用とSDSを反映しましょう。
最後はオブジェクトモードに移り、BottleとCapを選択して、右クリック「スムーズシェード」を選択して、表面を滑らかにさせます。
こうして完成したものが下の画像。少し長めの記事となってしまいましたが、Blenderの操作にある程度慣れていれば、15分程度で完成できます。
この後でお好みのマテリアルなどを追加してワインボトルやウィスキボトルなどを再現してみてください。
(MIKIO)