こちらでご紹介しているBlenderのチュートリアルでは2023年にリリースされたBlender 4.0を主に使用しているのですが、macOS Sonomaの環境でソフトウェアが固まったり、ビューポートの操作ができない状況が発生しています。
筆者のパソコンは2019年発売のMacBook Pro 16inで少々古いものの、Blenderのシステム要件では問題なくクリアするマシンです。ハードウェアの関係上、レンダリングに時間が掛るということはありますが、Blenderがフリーズしたり、クラッシュすることはあまり発生しませんでした。
しかし、Blender 4.0でカメラオブジェクトのプロパティにある「被写界深度(Depth of Field)」を有効化すると、カーソルがビーチボール(レインボーカーソル)になり、ビューポートがフリーズしたり、下のように画面が緑色になる現象が発生しました。
このようになってしまった場合は、「Command + Option + Esc」を使ったアプリケーションの強制終了を行うしか他になく、最悪プロジェクトファイルが破損する可能性があるので注意が必要です。
Blender 4.0、3.xとmacOS Sonomaで発生する
Blenderのディベロッパーのフォーラムで2023年の9月に「EEVEEで被写界深度を適用した時にBlenderが固まる」というスレッドが立っていますが、筆者の場合Cyclesでも同様の現象が発生しており、2023年12月現在の最新版のBlender 4.0.1とmacOS Sonoma 14.1.2でもこの問題は解決できていません。
Blenderがフリーズするタイミングは様々で、ビューポートの状態を「3Dビューのシェーディング」やレンダリングを行う場合などにカーソルがビーチボールになったり、動作が不安定になったりしますが、カメラオブジェクトの被写界深度をオンにすると、一切の操作ができなくなります。
フォーラムでは「Blender 4.0とBlender 3.6で発生しBlender 3.5では問題ない」とも書かれていましたが、筆者環境では3.6の場合、デフォルトマテリアルの時は問題なく、PBRテクスチャを反映と被写界深度をオンしたのみフリーズし、3.5の場合ではデフォルトマテリアルとPBRテクスチャの反映の両方でフリーズが発生したので、バージョンによって挙動が異なるようです。
Blender 3.3が安定か
色々なバージョンを試した結果、macOS Sonoma環境で一番安定していると感じたのはBlender 3.3 LTSでした。
3.5以上だと被写界深度のバグを無視したとしても、マテリアルを追加した時やワークスペースを変更する時はやや遅く感じます。しかし、Blender 3.3 LTSの場合だと比較的スムーズに動作している印象です。
Blender 4.0も安定している感じはあるので、カメラの被写界深度を使用しなければ問題なさそうにも見えますが、macOS Ventura(13.x)で球体などのシンプルなオブジェクトを追加した時にフリーズが発生する現象もあるようなので、少し古めのバージョンを使用するのが安心かもしれません。
(MIKIO)