以前、こちらのサイトではCinema 4D標準のライトオブジェクトとカメラオブジェクトの設定方法などを紹介してきましたが、これらのオブジェクトは使用するレンダラーによって、よりリアルな感じになったりと違った効果を与えることができます。
be CG Artist!でも度々紹介しているCorona Renderer(コロナレンダラー)もレンダラーに特化したライトとカメラオブジェクトが用意されており、このレンダラーを使用する場合は基本的にCorona Rendererのライト、カメラオブジェクトを使用するのがベストです。
今回の記事ではそんなCorona Rendererでのライトとカメラの各オブジェクトの追加方法や設定などを紹介していきます。
HDRI
Corona RendererにHDRIを追加する場合は、マテリアルマネージャの「Corona」から「Light Material」を選択します。
マテリアルエディタでは「Emission」の項目にある「Texture」からHDRI画像をドラッグ・アンド・ドロップし、テクスチャを設定しましょう。
また、「Preview」の項目からHDRIの画像に合わせて「Viewport preview size」を変更する事もおすすめします。4Kの画像を使用するのであれば「4096×4096」などにすると良いです。
マテリアルを設定完了した後は上部ツールバーから「空オブジェクト」を追加し、その空オブジェクトに先程作成したHDRIのマテリアルを適用すれば反映されます。
ライトオブジェクト(Corona Light)
レンダラーによってはCinema 4Dのライトを追加した後でもタグを追加することでレンダラーの効果を反映できるものもありますが、Corona Rendererの場合はそれができないので、別途「Corona Light」を追加する必要があります。
上部メニューの「Corona」から「Corona Light」をクリックし、ライトオブジェクトを追加します。デフォルトではエリアライトになっています。
基本的にCinema 4Dでのライトオブジェクトの設定とほぼ同様です。Cinema 4Dの標準ライトオブジェクトでの操作がわからない方は「ライトオブジェクトの設定を使って光の強度や色、そして影を追加してみよう」の記事を先に読んでおくと良いかもしれません。
Light Type(放射タイプ) / Light Shape(光源シェイプ)
「Light Type」と「Light Shape」の項目から光源の種類や形を変更できます。「Light Type」では3つの放射タイプが用意されており、デフォルトでは「Area(エリア)」となっています。
「Sector」はスポットライトのように一部分を照らすことが出来るものです。デフォルトでは「90°」になっていますが、「Angle(角度)」の数値を360°にすることで、Cinema 4Dの「全方向ライト」と同じようにすることができます。
「Object」では立方体や球体などオブジェクトの形に合わせてライトを作成するモードです。蛍光灯などは「Light Shape」から「Cylinder(円柱)」を選ぶと良いでしょう。
なお、Corona LightはCinema 4Dのライトオブジェクトと違い、デフォルトではZ+軸方向からのみ放射されますが、「Bidirectional」の項目にチェックを入れることでZ-軸から放射されます。
Intensity(強度) / Color(カラー)
この項目では光の強度や色を変更できます。基本的にCinema 4Dでの操作と一緒ですが、「Intensity(強度)」にある「Units」の項目からルーメンやルクスといった単位で強度を指定することが可能です。
「Color」の項目から光の色を設定します。「Temperature(色温度)」にチェックを入れることでケルビン単位でホワイトバランスを設定できます。
その他のオプション
「オブジェクト」タブの下にあるオプションからレンダリングや編集時でのライトオブジェクトの表示方法などを設定できます。
Corona Lightをビューポートに追加する際、光源を除く全てが暗くなります。メッシュの移動など操作しづらくなる可能性があるので、編集時に光の効果を表示させたくない場合は「Visible in editor」のチェックを外しておきましょう。
その他、レンダリング時に表示させたくない場合は「Visible directly(カメラから見える)」、「Visible in reflections(反射で見える)」、「Visible in refractions(透過から見える)」などのオプションを切り替えられます。
単純に光を消したい場合は、オブジェクトマネージャから「Corona Light」の緑色のチェックを外すことでレンダリング時には表示されなくなります。
カメラオブジェクト(Corona Camera)
上部メニューの「Corona」から「Corona Camera」を選ぶか、ツールバーからCinema 4Dのカメラオブジェクトを追加し、オブジェクトマネージャからカメラを右クリックして、「Coronaタグ」の「Corona Camera」をクリックすることで追加できます。
Cinema 4Dのカメラオブジェクトに設定を加える形になるので、Cinema 4Dでの操作とほぼ同じになります。レンズやフォーカス距離は「オブジェクト」のタブから変更しましょう。
なお、被写界深度などを加える場合は「Corona Camera」の項目から行う必要があります。
「ISO」や「F-Stop(F値)」などからカメラの設定を行い、「DOF(被写界深度)」の項目で「Override(上書きする)」、「Enable DOF(被写界深度を有効にする)」にチェックを入れればボケ味を演出することができます。
ライトオブジェクトの数やカメラでの被写界深度の設定の有無などによってレンダリング時間も左右されるので、見た目を確認しながら各オブジェクトの調整をしておくようにしましょう!
(MIKIO)