レンダラーの多くは見た目の効果をよりベストなものにするため、レンダラー専用のライトオブジェクトが用意されています。
もちろん、Cinema 4Dなどの3DCGソフトウェアが用意しているライトオブジェクトを使ってライティングを行うことも可能ですが、レンダラーによっては対応していなかったり違和感が出たりする場合もあるので、レンダラーのツールを使用するのが理想です。
be CG Artist!では以前、Cinema 4DやCorona Rendererのライトオブジェクトの追加方法などを紹介してきましたが、Maxonが提供しているレンダラーのRedshiftにもエリアライトやスポットライトなどCinema 4Dでも馴染みのあるライトオブジェクトのほか、Dome LightやPortal Lightなど独自のライトオブジェクトが用意されています。
今回の記事ではRedshiftにおけるライトオブジェクトの追加方法を詳しく紹介していきます。Cinema 4Dのライトとほぼ同じものもあるので、ライトオブジェクトを初めて使う方は、下の記事も合せて読んでみてください。
関連記事:
ライトオブジェクトの追加
Redshiftのライトオブジェクトの追加方法は上部メニューの「Redshift」の項目から「Lights」を選択して、追加したいライトを選択します。
ライトオブジェクトはオブジェクトマネージャに追加され、Cinema 4Dのライトオブジェクトの時と同じようにビューポート内で位置やスケール、属性マネージャから細かな設定を行うことが出来ます。
HDRI
シーン全体を照らすことが出来るHDRIはRS Dome Lightを使って追加します。
RS Dome Lightは透明なオブジェクトとして現れます。シーンの全体を覆うドームの形になっているため、オブジェクトを移動したりスケールの変更を行っても変化はありませんが、回転は使うことが出来ます。
上の例ではHDRIを追加して座標の「回転H」を「0°」にした場合のもので、下は「180°」にしています。缶にかかる光加減が変わっているのがわかります。
HDRIの設定
基本的にHDRIの設定はRS Dome Lightの「General」の項目から行います。
「Dome Map」の部分にHDRIの360°画像を追加し、「Gamma(ガンマ)」、「Exposure(露出)」、「Hue(色相)」、「Saturation(彩度)」と「Samples(サンプリング数)」を調整して理想の明るさや色を調整します。
HDRIの画像を非表示にしたい場合は「Environment」の項目にある「Enable Background」のチェックを外すと良いでしょう。
その他のライトオブジェクト
RedshiftではInfinite Light(無限遠)、Point Light(全方向)、Spot Light(スポットライト)、Area Light(エリアライト)、IES Light(IESライト)とCinema 4Dと同じライトが用意されています。
ライトの効果については「ライトを使ってオブジェクトやシーンに光を与えてみよう!デフォルトライトとライトオブジェクトの種類とは?」を読んでみてください。
追加されたライトオブジェクトはビューポート内で移動やスケール、回転などを行うことが出来ます。エリアライトやスポットライトなど一方向から発光するオブジェクトはZ軸から光が放出されるので、Z軸をベースに光の向きを調整すると良いでしょう。
ライトオブジェクトの設定
Redshiftライトオブジェクトを選択して属性マネージャの「General」の項目から光の強さや色温度などを変更できます。
「Mode」の項目ではライトオブジェクトのモードを「Color(色)」で変更するか、「Temperature(色温度)」またはその両方にするかを選べます。色温度の変更についてはCorona Rendererのライトオブジェクトでの設定とほぼ同じです。
「Intensity Multiplier」では光の強さを調整します。利用するライトオブジェクトによって同じ数値でも強さが異なるので、この項目を変更しながら調整すると良いでしょう。
RS Point Lightを使用する場合は影が強く出てしまうので、「Shadow(影)」の項目にある「Transparency(透明度)」や「Softness(柔らかさ)」の数値を変更すると良いでしょう。
ビューポートでライトの効果を非表示にする
ビューポートでライトの効果をオフにしたい場合は「Preview」の項目にある「Illumination」にチェックを入れます。
エリアライトの設定
エリアライトはデフォルトでは長方形ですが、「General」の項目にある「Shape」を変更することで、Disk(ディスク)、Sphere(球)やMesh(メッシュ)など好きな形に変更することが出来ます。
またZ+軸だけではなく、反対のZ-軸にもライトを適用させたい場合は「Bidirectional」にチェックを入れます。
RS Portal Light
屋内のモデリングでHDRIの光の効果を与えたい時はRS Portal Lightを使用します。下の写真では立方体の左側を開け、空いた空間にRS Portal lightを配置しました。
Portal LightなしでもHDRIの光を受けることが出来ますが、Portal Lightを追加することでより明るくすることが出来ます。
上の1枚目はPortal Light無しのもの、そして2枚目はPortal Lightを適用したものです。
HDRIの効果を追加するにはRS Portal Lightの「Custom Environment」の「Environment Shader」の項目にRS Dome Lightをドラッグ・アンド・ドロップしましょう。
ライティングはライトの組み合わせや色、強度などによって明るい温かい感じを出したり、ホラーチックな雰囲気などを作ることが出来るので、色々いじってみると良いでしょう。
また照明の基本である三点照明(Three Point Lighting)を活用してみるのも一つの手です。Redshiftのライトオブジェクトでも使える方法なので、気になる方は「ライトオブジェクトの三点照明を活用してライティングをマスターしよう!」もぜひ読んでみてください!
(MIKIO)