作成したオブジェクトに正しくテクスチャを反映するためにUV展開を行い、UVマップを作成する必要があると「マテリアルを綺麗に反映するために必要なUVマップやUV展開ってなんだろう?」の記事で紹介しました。
上の記事ではUVマップの基礎やCinema 4DのUVマップである「UVWマップ」の追加方法やUVエディタの表示方法などを説明していますが、実際にUV展開や編集はどうするのか、知りたくなった方もいるかもしれません。
今回の記事では立方体などシンプルなオブジェクトを使ってUV展開する方法や、よく使うであろうUV編集のツールを紹介します。
マテリアルを作成する
今回のチュートリアルではPoly Havenにある「Floor Tiles 6」のテクスチャを使ってオブジェクトに追加していきます。どのテクスチャでも良いのですが、UVマップの効果を簡単に確認できるようにチェック柄のテクスチャを使用します。
「Download」のボタンからテクスチャをダウンロードし、Cinema 4Dの「標準マテリアル」を作成して「カラー」の「テクスチャ」の項目にドラッグ・アンド・ドロップします。
その後で「ビューポート」の項目にある「テクスチャプレビューサイズ」から「2048×2048」を指定します。
Cinema 4Dにおけるマテリアルの追加方法は「オブジェクトに質感を与えるマテリアルとテクスチャとは?」で詳しく説明しているので、気になる方は合せて読んでみてください。
オブジェクトを追加する
上部ツールバーから立方体を追加し、編集可能にします。
その後で先程作成したマテリアルを立方体にドラッグ・アンド・ドロップし、マテリアルを適用させましょう。
次にCinema 4Dのレイアウトを「BP-UV Edit」に変更しUV編集が出来るようにします。
UVアンラップとUVリラックス
UV編集は主にUVアンラップ(UV Unwrap)とUVリラックス(UV Relax)の2つのツールを使って編集していきます。
UVリラックスは展開されたUVアイランドで歪んでしまっているUVポリゴンが均等になるように伸ばしていく作業になります。どのツールを使うかはメッシュの形によって変わってくるので、ツールを色々試していきながら理想のUVアイランドを作成していくと良いでしょう。
自動UVとUVアンラップ
Cinema 4DではUV展開を自動で行ってくれる「自動UV」というツールが用意されています。BP UV-Editのレイアウトで、UV展開したいオブジェクトのポリゴンをポリゴンモードで全て選択します。
UVマネージャの「自動UV」の項目にある「自動UV:適用」をクリックするか、パレットの「UVアンラップ」をクリックして自動でUV展開を行うことが出来ます。
UV結合とリラックス
「UV結合とリラックス」のツールではUVアイランドの歪みを調整するリラックスとUVエッジの結合などを行うことが出来るツールです。
先ほど自動UVで展開したアイランドを見た場合、シンプルな立方体であるためUVマップの歪みなどは発生していませんが、各ポリゴンのチェック柄がランダムに表示されています。
これはUVマップに表示されているUVアイランドに隙間があったり、UVポリゴンの位置がバラバラになっているため。
UVアンラップまたは自動UVで展開されたポリゴンにはシーム(Seam)という三次元のオブジェクトをペーパークラフトのように展開する際に必要な切れ目が自動で追加されており、そのシーム(切れ目)を「UV結合とリラックス」のツールで調整していきます。
エッジモードに切り替え、ビューポートから結合したいエッジを選択し、「UV結合とリラックス」をクリックします。
するとUVアイランドが結合され、テクスチャも綺麗に繋がりました。他の面にも同じように適用させ、UVアイランドを完成させます。
完成したUVアイランドが上のようなもの。立方体のきれいな展開図として作成することが出来ました。ただ、ビューポートを見るとチェック柄がまだランダムな感じになっていますが、次の項目で調整できます。
UVアイランドの移動、スケールと回転
3Dオブジェクトの移動やスケール、回転などの調整が行えるように、設定したUVアイランドでも独立したツールとして利用することが可能です。
テクスチャUVエディタの項目を選択し、エッジやポリゴンモードに切り替えます。今回はUVポリゴンを操作するのでポリゴンモードにし、テクスチャUVエディタに表示されているポリゴンを全て選択しています。
上部メニューの移動、回転、スケールのツールを選ぶか、この3つのツールをまとめて使える「UVトランスフォーム」ツールを選択し、好きな方向にUVアイランドを動かします。筆者の場合はUVアイランドを90°に回転させ、完成させています。
UVマップでテクスチャを表示させる
上の方法でテクスチャを調整する際、テクスチャが無いとどのエリアにマッピングが行われているかを確認できないので、UVマップにテクスチャを表示させます。
マテリアルマネージャに表示されているマテリアルの「X」アイコンをクリックすると、UVマップにテクスチャが現れます。
オブジェクトマネージャからUVアイランドを表示させたいオブジェクトを選択すれば、テクスチャを確認しながらUVアイランドを操作できるようになります。
なお、UVマップのテクスチャを非表示またはグリッドのUVマップにしたい場合はテクスチャUV エディタの上部メニューにある三角アイコンから「テクスチャ」の項目から選びます。
上の例では「UVマップ」にした場合。ガイドが表示されるので歪んでいる部分やテクスチャを反映しているエリアを確認できるので便利です。
立方体オブジェクトの最終的なUV展開
上記の方法でUVマップの作成が完了しました。現行だと一面につき、チェック柄のタイル1枚が反映されている状態なので、オブジェクトマネージャのマテリアルタグをクリックしてタイル数を増やします。
マテリアルタグを選択して、属性マネージャの「タグ」の項目にある「サイズ:U」、「サイズ:V」の数値をそれぞれ「25%」に設定します。
これによってテクスチャがタイルのように繰り返されます。UV軸を「25%」にすることでテクスチャが4枚タイルとして表示されます。この作業はUVアイランドを選択して拡大を行っても同じ効果を得られます。
チェック柄にずれがあるので、UVアイランドを全て選択して位置ツールを使って理想のテクスチャを完成させましょう。
UVマップのリセット
UV展開などで失敗した時や一から作り直したい場合はオブジェクトに追加されているUVWタグを削除し、オブジェクトマネージャの「タグ」の項目から「マテリアル」、「投影からUVW設定」をクリックします。
パレットの方にも同じ項目があるので、そこからUVWタグを作成することも可能です。
UVWタグが選択された場合は「投影からUVW設定」をクリックすることで新しいUVWタグに上書きされます。
オブジェクトを選択した場合は既存のUVWタグに加えて、新しいタグが追加されるので必要に応じて古いUVWタグを削除すると良いかもしれません。
テクスチャリングを筆者が学び始めた時に、このUV編集はモデリングとはまた違うテクニックが必要だったので正直苦手でしたが、今回紹介したシンプルなオブジェクトからUV展開を行ったり、ツールを使っていけばUV編集にもある程度慣れると思います。
次回の記事は押し出しやベベルを使った複雑なメッシュをUV展開する方法を紹介していくので、楽しみにしててくださいね!
(MIKIO)