Corona Rendererライティングレンダリング

[Corona Renderer] レンダリング後でも光量を調整できる、LightMixを使ってみよう

一眼レフやミラーレス機などでは撮影後でも露出やホワイトバランスを編集で変えられるRAW撮影のモードは撮影時のミスに対処できたり、ヘビーな編集を行いたい時に便利ですよね。

3DCG制作ではオブジェクトを作成するモデリングや、照明などを追加するライティングなどを追加した後にレンダリングを行って一つの画像として出力するののが基本的なプロセスになりますが、場合によってはこのレンダリングが一番時間がかかったりします

レンダリングの時間がかかる理由は様々ですが、ライティングもその一つです。モデリングやテクスチャは問題ないけれど、光量や色を微調整したり、オブジェクトまたは設定したライトオブジェクトの設定を変更した別バージョンのものをレンダリングしたい場合、設定を行うたびにレンダリングする必要があるので、少々面倒ですよね。

しかし、Corona RendererではRAW撮影のようにレンダリングを行った後でもライティングを自由に調整できるInteractive LightMix(インタラクティブ・ライトミックス)という機能があるということはご存知だったでしょうか?

Interactive LightMix

Interactive LightMix(インタラクティブ・ライトミックス)またはシンプルにLightMixと呼ばれるこのツールはカラーや透過、反射などの効果をそれぞれのレイヤーとして出力するマルチパス(Multipass)を使った機能の一つです。

LightMixを設定したプロジェクトはレンダリング後にCorona Rendererの仮想フレームバッファツールのCorona VFBを使うことで光量や光の色、ライトのオンオフなど設定を行うことが出来ます。

すでにレンダリング済みのプロジェクトに調整を行う形になるため、通常の時間のかかるレンダリングも必要なく、簡単かつ早く別バージョンを出力することが可能です

マルチパスの設定

Cinema 4Dの上部メニューにある「Corona」の項目から「Multi-Pass」を選択して、Corona Multi-Passのウィンドウを表示させます。

このウィンドウからマルチパスとして出力したいパス(効果)を「Available passes」の一覧から「Active passes」に追加することでマルチパスにすることが出来ます。

今回はLightMixを使用するので、LightMixの「+」アイコンをクリックしてリストを展開し、「LightMix」と「LightSelect」を選択して「Active passes」にドラッグ・アンド・ドロップします。

LightSelect」の項目をクリックして、オブジェクトマネージャにあるライトオブジェクトをLightSelectのエリアにドラッグ・アンド・ドロップして追加しましょう

次は「Multi-pass」の項目に移り、「Enable Multi-pass」にチェックを入れてマルチパスを有効化します。

Corona VFB

上部メニューの「Corona」の項目から「Corona VFB」を選択し、Corona VFBのウィンドウにある「Render」をクリックしてレンダリングを完了させます。途中で止めたい場合は「Stop」をクリックしても問題ありません。

右側にあるオプションから「LightMix」のタブをクリックすると「LightSelect」の項目が現れるので、光の強度や色を変更することが出来ます。

上の例では強度を「0.5」そして色を青色に変更してみました。

LightMixの他の設定

基本的に光の強度と色の項目だけで設定は完了しますが、いくつかのオプションを使って設定をリセットするなどの操作が行なえます。

Save」ではLightMixのプリセットを保存することが出来ます。ファイルは「.conf」となり、「Load」のボタンをクリックしてプリセットを読み込めます。

Toggle All」はLightMixに指定されているライトオブジェクトをまとめてオン・オフ出来ます。「All 1.0」は光の強度をデフォルトの数値である「1.0」にリセットし、「All White」は色を変更したライトを白色にリセットします。

なお、「Scene>」は現在設定されているLightMixをシーンに置き換えるものです。「Confirmation」の項目で「OK」をクリックすると設定が反映されてしまうので注意しましょう。

複数のLightSelectを活用する

上の例では4つあったライトオブジェクトを一つのLightSelectに追加したので、LightMixの項目では一つの設定で全体的なライティングが変わりましたが、ライトオブジェクトを個別に設定することも可能です。

Corona Multi-passを開き、先ほどと同じように「LightMix」と「LightSelect」を追加した後、ライトオブジェクトの数に合わせて「LightSelect」を更に加えていきます

筆者の場合は「LightFront」、「LightAbove」、「LightRight」、「LightLeft」の4つのライトオブジェクトがあるので、LightSelectを4つ追加しました

それぞれのLightSelectにライトオブジェクトを一つずつドラッグ・アンド・ドロップして追加します。「Name」の項目からライトオブジェクトに合わせた名前に変更するとわかりやすくなります。

最終的に出来上がったマルチパスはこのような感じ。ライトオブジェクトに合わせてLightSelectも追加されています。Corona SkyやCorona Sunを使っている場合でも同じようにそれぞれのLightSelectを追加すると良いでしょう。

Corona VFBを開くと追加したLightSelectが表示されるので各ライトオブジェクトの設定を加えることが出来ます。

上の例ではLightMixのみを使って4つのライトオブジェクトの光の強度と色を変更してみました。

LightMixは事前にマルチパスの設定が必要になってくるので、少々面倒ではありますが、光の強度や色、オン・オフの切り替えを簡単かつ早く行うことが出来ます。

照明の設定を複数試したい場合や別のバージョンとして書き出したい場合などに役立つので、ぜひ使ってみてください。

(MIKIO)

mikio

コマーシャルを中心に企画から撮影、編集などの映像制作に10年携わる。最近3DCG制作にも興味を持ち始め、学んだことを備忘録として残したり、独学で3DCGを学びたい初心者にもわかるようにbe CG Artist!では3DCG制作で役に立つチュートリアルを紹介していきます。

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