Cinema 4DRedshiftテクスチャリングライティング

[Redshift] 透過オブジェクトにコースティクスを加えてよりリアルなガラスを表現してみよう!

ガラスやプラスチックなどのオブジェクトを作成してレンダリングを行うと、シーンは問題なく出来ているはずなのに少し物足りないと感じることはありますか?

もしかしたらコースティクス(Caustic)が不足していることに原因があるかもしれません。

コースティクス(Caustic)とは水やガラスが光を受けた時に発生する現象のことで、物体の形に合わせて光の屈折や反射によって出来上がる模様のことを指します。コースティクス・ネットワークまたは日本語で集光模様とも呼ばれます。

下の画像のように平面のオブジェクトと立方体のオブジェクトを追加し、立方体のオブジェクトにはRedshiftのプリセットで「Tinted Glass」のマテリアルを適用し、スポットライトを照射させます。

この状態でレンダリングを行ってみると、平面に立方体の色に合わせた半透明の影が映っています。

パッと見た感じ悪くはないのですが、コースティクスの効果を追加してよりリアルな表現に近づけていきましょう。

Redshift Objectタグを追加する

コースティクスの効果を受けるオブジェクトの全てには「Redshift Object」のタグを追加する必要があります。今回の場合は立方体と床の部分となる平面オブジェクトに適用します。

オブジェクトマネージャから適用させるオブジェクトを右クリックし、「Redshift」の中にある「Redshift Object」をクリックします。

Redshift Objectタグを選択し、属性(Attributes)マネージャの「Visibility」の項目に移り「Override」にチェックを入れ、「Global Illumination」の中にある「Casts Caustic Photons」と「Receives Caustic Photons」にチェックを入れましょう。

Redshift ライトの調整

次にオブジェクトが受ける光源の設定を変更します。今回はRedshift Spot Lightのみを使っているので、ライトオブジェクトをクリックして属性マネージャの「Details」の中にある「Caustic Photons」にチェックを入れます。

コースティクスを反映する必要な設定はこれで完了します。しかし、Redshift IPRを使ってレンダリングを行ってみると、コースティクスの効果が反映されていません。

これはコースティクスはIPR(Interactive Progressive Rendering)=インタラクティブ・プログレッシブレンダリングには対応していないため。コースティクスを確認するにはBucket Rendering(バケットレンダリング)を使用する必要があります。

レンダリング設定

コースティクスの効果が反映されましたが、平面の部分を見ると光子が目立っています。このノイズを調整するにはレンダリング設定の「モード: Advanced」、「Redshift」の「Caustics」にある「Blur Radius」の数値を変更します。

「Blur Radius」はブラーの強度を変更するものです。下の画像はBlur Radiusを「3」にしたもの。光子のノイズが軽減され、より自然なコースティクスになりました。

コースティクスの微調整

Redshiftライトオブジェクトの「Caustics」の項目にある「Intensity」と「Photons」のパラメータを変更することで、コースティクスの効果を調整できます。

基本的に「Photons」の数値を極端に上げるのが最適になりますが、その分レンダリングに時間がかかるので注意が必要です。上の画像は「Intensity: 5」、「Photons: 8000000」にしたものになります。

オブジェクトとマテリアルのカスタマイズ

コースティクスは光源と光を受けるオブジェクトの形によってコースティクスの模様が変化します。

これまでの例ではシンプルな立方体でしたが、少し複雑な形をしたオブジェクトの場合は上のような面白いコースティクスが出来上がります。

オブジェクトのコースティクスの効果をカスタマイズしたい場合はRedshiftマテリアルの「Reflection」にある「IOR」を変更します。

上の画像ではIOR(屈折率)がガラス(Glass)のデフォルトである「1.5」にしたもの。そして下が「1.8」にしたもの。コースティクスの広がり方が変わりました。

ノイズを追加しても同じようにコースティクスのカスタマイズを行えます。下の例ではRS NoiseをRS Materialの「Reflection Roughness(ラフネス)」に追加したもの。

また、コースティクスに虹色の効果を与える場合はRS Materialの「Refraction/Transmission」にある「Dispersion(分散)」のパラメータを変更します。

デフォルトでは「0」になっていますが、「5」などにするとガラスとコースティクスに色が追加されるようになります。

今回紹介したコースティクスはガラスなどで発生する光の反射などをよりリアルに表現が出来ますが、ライティングや設定によって見た目もガラッと変わってしまうのと、レンダリングに時間が掛かるため、ある程度操作に慣れておくのがベストです。

ダイアモンドやガラス工芸などをモデリングするにはあると良いエフェクトなので、ぜひ活用してみてください!

(MIKIO)

Additional Photo: Giorgio Trovato

mikio

コマーシャルを中心に企画から撮影、編集などの映像制作に10年携わる。最近3DCG制作にも興味を持ち始め、学んだことを備忘録として残したり、独学で3DCGを学びたい初心者にもわかるようにbe CG Artist!では3DCG制作で役に立つチュートリアルを紹介していきます。

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