Cinema 4DRedshiftテクスチャリング

[Redshift] 複数のマテリアルを組み合わせて剥がれた塗装を表現してみよう!その3: ノイズの調整とディスプレイスメント

前回の記事では3つのマテリアルをMaterial Blenderノードを使って一つのマテリアルとして合成し、表示範囲として指定するノイズを追加するチュートリアルを紹介しました。

「剥がれた塗装を表現してみよう!」シリーズのパート3になるこちらの記事では、ノイズを調整し、よりペンキが剥がれた感じを表現していきます。

編集中のRedshiftマテリアルを開き、シェーダーグラフを表示させます。パート2で追加した「RS Maxon Noise」のノードを「Metal Exposed(金属露出)」のような名前に変更しましょう。

「Metal Exposed」ノイズの調整

Metal Exposed」のノードを選択して、「Type: Buya」に変更します。

その後で「Overall Scale: 5」、「Low Clip: 0.2」、「High Clip: 0.5」のようにパラメータの数値を入力します。オブジェクトによって見た目が変わると思うので、RederViewのIPRでレンダリングを行いながら作業すると良いでしょう。

RS Ramp」の「Ramp」の項目からグラデーションを操作し、ノイズの強度を調整します。

「Paint 2(C)」のマテリアルを表示させる

先程の項目で作成した「RS Ramp」を選択した状態で「Control(Command)」キーを押しながらドラッグし、複製します。

Metal Exposed」のノードを複製されたRS Rampノードの「Input」へと接続します。

次に複製されたRS Rampを「Material Blender」の「Layer 2」、「Blend Color 2」のポートへと接続しましょう。

「Blend Color 2」と紐付けされているRS Rampを選択して、「Ramp」の項目からグラデーションを操作します。

上の画像の様にグラデーションを黒、白、黒の様にすると「Paint 2(C)」のマテリアルが表示されるようになりました。グラデーションやノイズのパラメータといった調整は納得が行くまで色々変更してみると良いでしょう。

ちなみに現段階のシェーダーでレンダリングを行ってみるとこの様な感じ。だいぶペンキが剥がれた感じが出ていますが、露出した金属部分(Metal(B))にザラつきがないので、バンプマップを追加していきましょう。

Metal(B)にバンプマップを追加する

一番最初に追加したRS Maxon NoiseのノイズをマテリアルBである「Metal(B)」ノードに接続しましょう。

「Paint Surface(A)」と紐付けされている「RS Bump Map」の「Out」を「Metal(B)」の「Overall: Bump Input」のポートへと接続します。

この状態でレンダリングしたものがこちら。露出した金属部分にも凹凸が現れるようになり、より自然な感じになりました。

ディスプレイスメントの追加

露出した金属部分がより立体的に見えるようにディスプレイスメントマップを追加していきます。まずは「Blend Color 2」に紐付けされているRS Rampを複製します。

検索窓から「Displacement」と検索し「RS Displacement」ノードをシェーダーグラフの中に追加します。

「Metal Exposed」ノードと複製したRS Rampの「Input」へと接続します。

RS Rampは「RS Displacement」の「Texture」、「TexMap」のポートへと接続。

そしてRS Displacementノードは「Output」ノードの「Displacement」へと接続させましょう。

「RS Displacement」ノードを選択し、「Scale」の項目に「-0.8」を入力します。細かな設定変更はオブジェクトに「Redshift Object」タグを追加した後で行うと良いでしょう。

Redshift Objectタグとディスプレイスメントの調整

マテリアルを適用しているオブジェクトをオブジェクトマネージャから選択、右クリックし「Redshift」の項目から「Redshift Object」を選択してタグを追加します。

Redshift Objectタグを選択して属性マネージャの「Geometry」の項目から「Override」、「Tessellation: Enabled」、「Displacement: Enabled」にチェックを入れます。

「Displacement」の項目では「Maximum Displacement」を「5」、「Displacement Scale」を「1」にします。

この状態でレンダリングを行うと、ディスプレイスメントが反映されるようになります。RS Displacementと紐付けされている「RS Ramp」のグラデーションを調整して理想のディスプレイスメントになるように調整していくと良いでしょう。

Redshiftのカメラオブジェクトといくつかのパラメータを微調整し、最終的にレンダリングを行ったものがこちらです。

さらにノイズやシェーダーを追加すればよりリアルな感じを作ることが出来ると思いますが、3つのマテリアルといくつかのノイズを組み合わせるだけで、塗装が剥がれて少し錆びた感じの金属になったとは思いませんか?

RS Rampのグラデーションやノイズのシード(Seed)を変更するだけで模様や立体感の調整を行うことが出来るので、今回のシェーダーノードを参考にして理想のマテリアルを作成してみてください!

(MIKIO)

mikio

コマーシャルを中心に企画から撮影、編集などの映像制作に10年携わる。最近3DCG制作にも興味を持ち始め、学んだことを備忘録として残したり、独学で3DCGを学びたい初心者にもわかるようにbe CG Artist!では3DCG制作で役に立つチュートリアルを紹介していきます。

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