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[Blender] プリンシプルBSDFを使ってプラスチックやゴムなどのマテリアルを作成してみよう

Blenderでマテリアルを作成する際に様々な素材を再現できるプリンシプルBSDF(Principled BSDF)はガラスなどの透過するものや、金属といった反射するものを作ることができますが、その他にもその中間となるプラスチックやゴムなどのマテリアルも作成可能です。

プラスチックやゴムといった樹脂素材は基本的に反射や粗さなどガラスや金属の作成時に使用したパラメータを調整するだけで簡単に作れます。

今回の記事ではプラスチックやゴムの他にも、半透明の蝋といったマテリアルを作成する方法をご紹介します。なお、レンダラーはこれまでの記事と同じく、Cyclesを使用しています。

オブジェクトにマテリアルを適用する

前回の記事同様に立方体のオブジェクトにマテリアルを適用します。オブジェクトモードで立方体を選択し、プロパティの「マテリアル」をクリックして「新規」から新しくマテリアルを適用します。

マテリアル名は「Plastic」などわかりやすいものにしておくと、良いかもしれません。

プラスチックのマテリアル

プリンシプルBSDFで再現するプラスチックのマテリアルは比較的シンプルで、「サーフェス」の中にある「ベースカラー」、「粗さ」を調整するだけで、プラスチックのような表面を再現できます。

「ベースカラー」では表面の色を指定し、「粗さ」を「0」にすることで、光沢のある表面に、逆に「1」など数値を上げることでマット加工された表面になります。

透明なプラスチックを作成する場合は、ガラスの時同様に「伝播」のパラメータと「IOR」を調整します。

プラスチックのIOR(屈折率)は本来「1.46」とされていますが、上の画像の例では「伝播: 1.0」、「粗さ: 0.1」「IOR: 1.3」にしたもの。透明なマテリアルはライティングやメッシュの形によって見た目も変わるので、必要に応じて細かな調整を行うと良いでしょう。

ゴムのマテリアル

ゴムは基本的にプラスチックと似ており、「ベースカラー」、「粗さ」と「IOR」を操作します。下の例ではタイヤなどのゴムの色に近づけるため、ベースカラーを濃い灰色にしており、粗さを「0.85」、IORをゴムの屈折率である「1.519」にしています。

ゴムの柔らかさなどはノーマルまたはディスプレイスメント、メッシュで表現する必要があるので、モデリングを完了させた後にマテリアルを適用すると、それっぽくなると思います。

蝋などの半透明なマテリアル

ガラスやプラスチックの透明と違い、人肌や蝋などの素材に光が通されると、物体の中心に向かうにつれて光が吸収される様になっています。そのようなメカニズムをサブサーフェス・スキャタリング(Subsurface Scattering : SSS)と呼びます。

プリンシプルBSDFでは「サブサーフェス」の項目が用意されており、「ベースカラー」でマテリアルの色を指定した後に「サブサーフェス」の「ウェイト」を「1」にすることでSSSを追加できます。

上の例ではSDS(サブディビジョンサーフェス)を適用した立方体に「サブディビジョンサーフェス」の「ウェイト: 1」、「半径:2」にしたもの。「半径」ではSSSの影響する範囲を指定します。メッシュのサイズによって微調整を行うと良いでしょう。

サブサーフェスには3種類の演算方法が用意されており、デフォルトの「ランダムウォーク」は蝋や石鹸などの多くの半透明なSSSマテリアルに向いていますが、人肌を再現する際は「ランダムウォーク(スキン)」を選択すると、より肌に近い感じになります。なお、一般的にSSSはより演算の時間がかかるので、注意する必要があります。

(MIKIO)

mikio

コマーシャルを中心に企画から撮影、編集などの映像制作に10年携わる。最近3DCG制作にも興味を持ち始め、学んだことを備忘録として残したり、独学で3DCGを学びたい初心者にもわかるようにbe CG Artist!では3DCG制作で役に立つチュートリアルを紹介していきます。

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