Cinema 4DRedshiftライティング

Redshift Spot Light(スポットライト)を使って光線を表現してみよう

be CG Artist!ではRedshiftレンダラーを使用したライトオブジェクトの追加や設定方法などを紹介してきました。基本的な操作はCinema 4Dのライトオブジェクトと似ているので、比較的簡単に光源を追加できます。

ライティングの多くはHDRIやエリアライトを使えば大体のシーンをライトアップすることができますが、スポットライトを使うと被写体を目立たせたりすることが出来るのでおすすめです。

Redshiftレンダラーでスポットライトを使用するにはRS Spot Lightというライトオブジェクトが用意されており、Area Light(エリアライト)などの他のライトオブジェクト同様に強度などを調整できます。

今回のチュートリアルでは上のシーンにRedshiftのSpot Lightを使って風船に光を当ててみましょう。こちらのシーンではSpot Lightの他に環境光であるHDRIを適用したDome Lightも使用しています。

この状態でレンダリングを行ってみると上のような感じになりました。地面にスポットライトの光は追加されているものの、街灯から光が発せられている感じには見えません。

現実世界ではスポットライトなどのような強い光源がある場合、一般的に空気中のホコリやチリなど細かい粒子に光が反応することで、光の流れである光線(Light Ray)を見ることができます。

3DCGの世界ではホコリなどの粒子は無いので、その様な表現をするために追加のオブジェクトを追加する必要があります。

Redshift Environment

Redshiftでは「Redshift Environment(Redshiftエンバイロメント)」というオブジェクトが用意されており、このRedshift EnvironmentとRedshiftのライトオブジェクトを組み合わせることで光線や霧を表現できます。

Redshift Environmentを追加するには上部メニューの「Redshift」、「Objects」の中にある「Redshift Environment」をクリックします。

Redshift Environmentを追加してレンダリングを行うとオブジェクトの効果が反映されます。上の画像では特に何も変更せずにレンダリングを行っているので真っ白になっていますが、パラメータを操作することで粒子の強度などを調整できます。

Environmentとライトオブジェクトの調整

Redshift Environmentを追加するとライトオブジェクトの強度等によってシーンの明るさが変わります。

Environment追加前の各ライトオブジェクトはSpot Lightの「Intensity: 100000」、Dome Lightの「Intensity: 1」でシーンがいい感じにライトアップされていますが、Environmentを適用すると下のような感じになり、明るすぎになっています。

このようにEnvironmentとライトオブジェクトの組み合わせはシーンのライティングに影響を与えるので、各ライトオブジェクトの強度(Intensity)やEnvironmentの散乱(Scattering)の調整を行う必要があります。

HDRIを使用するとHDRIの色に合わせてEnvironmentの色も変わってしまうので、Dome Lightを非表示にして変わりにArea Lightを追加し、街灯の上に配置します。

各オブジェクトの強度の設定ではArea Lightを「Intensity: 0.2」、Sport Lightは「70000」、Environmentは「Scattering: 0.01」にします。

パラメータの設定を反映してレンダリングしてみた結果がしたの画像です。スポットライトの光線が上手く表現されており、よりリアルな感じになりました。

Environmentにノイズを追加する

Redshift Environmentはデフォルトでは均等な粒子になっているので、シンプルな霧などには最適であるものの、煙など少し重みのある感じを出したいのであればノイズを追加してみるとより面白い表現ができます。

マテリアルマネージャからRedshiftマテリアルを追加し、ダブルクリックしてシェーダーグラフを表示させます。

検索窓から「Noise」と検索し、RS NoiseまたはRS Maxon Noiseノードを追加します。今回のチュートリアルではRS Maxon Noiseを使用します。

RS Materialを削除し、ノイズのノードをOutputの「Volume」のポートに接続しましょう。

ノイズのタイプやスケールなどを調整し、マテリアルをRedshift Environmentに適用させれば完成です。Redshift IPRを使って確認しながら調整を行うと良いかもしれません。

Environmentにノイズを加えてレンダリングしてみた結果が上の画像になります。ちなみに使用したノイズは「Voronoi 1」です。

今回の記事では紹介しませんが、Redshift Environmentでは他にも「Fog」という霧の表現に役立つパラメータを用意しています。

ライトオブジェクトやEnvironmentの調整によってはホラーチックにしたり、ドラマチックにしたりなど様々な表現が可能になると思うので、Redshift Environmentをぜひ活用してみてください。

(MIKIO)

Additional Photo: Sam Moqadam

mikio

コマーシャルを中心に企画から撮影、編集などの映像制作に10年携わる。最近3DCG制作にも興味を持ち始め、学んだことを備忘録として残したり、独学で3DCGを学びたい初心者にもわかるようにbe CG Artist!では3DCG制作で役に立つチュートリアルを紹介していきます。

関連記事

Back to top button