Blenderは無料、Cinema 4Dは使いやすさとモーショングラフィックスに特化しているなど3DCGソフトウェアに違いがあるように、3DCGを画像として出力するレンダラーも様々なものがあります。
be CG ArtitistではCinema 4DのレンダラーやRedshiftなどを紹介していますが、筆者がよく使っているCorona RendererというレンダラーはGPUに依存しないCPUレンダラーで簡単かつ、フォトリアルなレンダリングが行えるのでおすすめです。
これまでにライトオブジェクトやカメラの追加、レンダリング方法などのチュートリアルを紹介してきましたが、今回の記事ではCorona Rendererのマテリアルの作成とオブジェクトへの適用方法を詳しく紹介していきます。
レンダラーの変更とレンダリング設定
Cinema 4Dのレンダリング設定を開き、レンダラーを「Corona」に変更します。
必要に応じて「出力」の項目からフレームサイズを変更します。筆者の場合はフルHD画質にしたいので「幅:1920」、「高さ:1080」に変更します。出力の項目についてはCinema 4Dの操作になるので、「Cinema 4Dでレンダリングを行ってみよう!シーンの書き出しや基本設定とは?」も合せてチェックしてみてください。
ノイズ除去の設定
レンダリングを行う際、より早くレンダリングが行えるようにノイズ除去(Denoise)の項目を調整します。左側の「Corona」をクリックして、「General settings」に移ります。
ノイズ除去の項目は主に「Progressive rendering limits」、「Denoising」の項目を変更します。
Progressive rendering limits
レンダリングの上限を設定できる項目です。パスの回数を制限できる「Pass」、5分など特定の時間を設定してレンダリングを停止させる「Time limit」、そしてノイズレベルが設定した値に到達した時点でレンダリングを停止させる「Noise level limit」のいずれかを設定します。
筆者の場合は比較的ノイズが目立たない「3%」にノイズレベルを設定したいので、「Noise level limit」を「3」にします。
Denoising
「Denoise mode」のドロップダウンメニューを開き、「Corona high quality」を選択してノイズ除去のモードをオンにします。
使用するマシンによって利用できるノイズ除去のモードが変わってくると思いますが、基本的にCorona high qualityを選ぶだけで問題ないと思います。他の項目はデフォルトの設定のままで問題ありません。
マテリアルの追加
Corona Rendererのマテリアルの追加方法はマテリアルマネージャの「Corona」の項目から「New Material」をクリックします。
マテリアルマネージャに作成されたマテリアルをダブルクリックするとマテリアルエディタが起動するので、Cinema 4Dの標準マテリアル同様に様々なパラメータを操作することが出来ます。
マテリアルの項目
基本的にCinema 4Dの標準マテリアルの項目と同じです。名称が違っていたりや標準マテリアルに比べると足りない項目があったりしますが、出来ることはほぼ同じです。
Diffuse(カラー)
マテリアルのベースの見た目である色(カラー)を設定します。
Translucency(半透明)
SSSなど透明ではない半透明のオブジェクトに適用する際に使用する項目です。レンガや木材などのオブジェクトに関しては基本的に使用しません。
Reflection(反射)
マテリアルの反射強度を設定します。「Fresnel IOR(フレネルIOR)」や「Glossiness(粗さ)」を設定して金属の質感を出すことができます。
Refraction(透過)
マテリアルの透明度を調整します。この項目にチェックを入れると透明なマテリアルになるので、「Diffuse(カラー)」の項目は使用しません。
こちらは主に「Index of refraction=IOR(屈折率)」と「Glossiness(粗さ)」を調整します。
Opacity(アルファ)
テクスチャをマスクする時などに使用する項目です。イメージテクスチャに「Opacity」のファイルがあればそのテクスチャをこの項目に読み込みます。
Bump(バンプ) / ノーマル
バンプマップをこの項目に追加します。バンプマップは通常白黒の画像になりますが、ノードエディタで「Normal」シェーダーを追加することでノーマルマップを紐付けることも可能です。
Displacement(変位)
ディスプレイスメントマップを追加できる項目です。テクスチャを加えた後で「Min level」、「Max level」の項目を設定することでディスプレイスメントの高さの調整が行なえます。
Volumetrics(霧)
SSSのオブジェクトなどで使用する項目です。ノイズやテクスチャを組み合わせることで霧や雲のようなテクスチャを作り出すことが出来ます。
Self illumination(発光)
マテリアルに光の効果を与えたい場合に使用する項目です。このSelf illumination(セルフイルミネーション)を利用することでシーンに光源を追加することが出来ますが、ノイズが目立つ場合があるので、メインの光源としては利用しないようにしましょう。
ランプや蛍光灯などシーンの光源として利用したい場合はCorona Rendererのライトオブジェクトまたはライトマテリアル(Corona Light Material)を使用します。
ビューポートプレビューサイズの変更
画像のテクスチャを追加した際にデフォルトの状態だとレンダリング時の画質が低いため、ビューポートのプレビューサイズを変更する必要があります。
Coronaマテリアルを選択して、マテリアルエディタの「Preview」の項目にある「Viewport preview size」の項目をテクスチャの解像度(2048×2048など)に合せて変更します。
Poly Havenなどで入手したテクスチャを各項目に追加してマテリアルを作成する方法は「イメージテクスチャを使って、よりリアルなマテリアルを作ってみよう!マップの種類と適用方法とは?」にも詳しく説明しているので、気になる方は合せてチェックしてみてください!
(MIKIo)